💡一言紹介:ドキュメンタリー的手法で現代社会の悲劇を浮き彫りにする名作
東京の超高層マンションで一家4人の惨殺事件が起こりました。ところが、4人の死者は本来そこに住んでいるはずの家族ではありませんでした。事件の背後にある複雑な人間関係と現代社会の闇が浮かび上がってきます――。
📖読んだ本
理由(宮部みゆき)
📖『理由』のあらすじ
東京荒川区の超高層マンションで凄惨な殺人事件が起きました。
室内には中年男女と老女の惨殺体。そして、ベランダから転落した若い男。
ところが、4人の死者は、そこに住んでいるはずの家族ではありませんでした—。
事件はなぜ起こったのでしょうか。殺されたのは「誰」で、いったい「誰」が殺人者であったのでしょうかー。事件の前には何があり、後には何が残ったのでしょうか—。
全ての事実が明らかになるにつれて浮上してくる人物たち。
幾つも人間関係の絡み合い。そこには殺人現場の2025号室が「競売物件」という複雑な事情も絡んでいました—。
ドキュメンタリー的手法で現代社会ならではの悲劇を浮き彫りにする、直木賞受賞作です。
🎬 『理由』の映像化データと見どころ
2004年に大林宣彦監督によって映像化され、100名以上のキャストが織りなす群像劇として話題を集めました。出演: 岸部一徳、村田雄浩、大和田伸也、松田美由紀、柄本明、宮崎あおいなど。映画版と原作の空気感を見比べてみるのも面白いですよ。
✒️ 『理由』の感想と見どころ
一家四人惨殺事件を、事件関係者のインタビュー形式で掘り下げていく形式がとても斬新だと思いました。
超高層マンションを舞台にした人間模様がいろいろな観点から描かれていて、とても興味深く読めました。
取材によって明らかになっていく真相と結末に、ページをめくる手がとまりませんでした。
約700ページの長編ですが、文章はとても読みやすく、一晩で読了してしまいました。
私はこの本を読んでいろいろな家族がいることを知りました。
それぞれが抱えている悩みや不安を一緒に共有できない家族、話し合いやコミュニケーションを避けている家族など、そんな寂しい家族が増えてきているのではないでしょうか。
この小説が書かれたのは今から30年前ですが、現代社会における人間関係の希薄さや無関心を、すでに鋭く描いていたことに驚かされました。
隣人だけでなく、家族同士でさえ心を通わせることが難しくなっていく――。
そんな現代社会の危うさを、宮部みゆきは早い段階から見抜いていたのではないかと感じます。
最初は、殺人事件を扱った単なるミステリーだと思って読み始めましたが、様々な家族の人間ドラマが描かれていて、読み終わってみると深い余韻に包まれました。
🎯印象に残ったポイント
・数十人もの人物を登場させ、ドキュメンタリー的手法で追うのが独創的な点。
・物語の軸となる主人公が出てこず、淡々と物語が進行している点。
・人間の心理描写がとてもうまく描かれている点。
👤 こんな人におすすめしたい!
・家族とは何か、血縁とは何かについて考えたい人。
・不動産問題や競売物件に興味がある人。。
・重厚な人間ドラマを読みたい人。
🎧 文字を読むのが疲れる時は、耳で聴く『理由』がおすすめ
本作は文庫本で700ページ近くの、ずっしりとした長編ミステリーです。
「じっくり読みたいけれど、文字を追うのが少し疲れるな……」という方には、Amazonの耳で聴く読書(Audible)がぴったりです。
Audible版の『理由』は、プロのナレーターが1文字ずつ丁寧に朗読してくれます。『理由』では、俳優の田中哲司さんがナレーターです。
多くの登場人物があり、それぞれに細かくバックグラントが描かれています。それらが、複雑かつ緻密に絡んで壮大な物語となっていきます。
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