💡 一言紹介:孤独な超能力者が挑む「闇の処刑」
念じるだけで全ての人間や物を燃やし尽くしてしまう特殊な超能力を有するヒロインの物語です。
彼女はその力を、法では裁ききれない悪人たちへの「処刑」のために使います。
ヒロインの「孤独」と「正義」を描くサスペンスミステリーです。
📖 読んだ本
クロスファイアー(宮部みゆき)
📖 『クロスファイア』のあらすじ
青木淳子は常人にはない超能力を持って生まれました。それは、念じるだけですべてを燃やす念力放火能力(パイロキネシス)――。
物語は、淳子が新たなターゲットを見つけ、行動を起こすところから始まります。
多くの悪人たちを正義のもとに焼殺する淳子。
一方で、彼女が起こした不可解な焼死事件を追う、警視庁捜査一課の刑事、石津ちか子の視点も描かれます。
放火捜査を専門とするちか子は、現場に残されたわずかな手がかりから、常識では考えられない能力者の存在に迫っていきます。
二人の女性の視点が交錯しながら、物語は緊迫感を増していきます。
自らの正義を執行しようとする淳子と、法に基づき事件を解決しようとするちか子。
二つの異なる正義が交錯し、物語は衝撃的な結末へと突き進んでいきます。
淳子の孤独な戦いの果てに待つものとは、そしてちか子が見つけ出す真実とは何なのでしょうか。
✒️ 『クロスファイア』の感想・見どころ
上巻では、本作の主人公・青木淳子が正義のためとはいえ、何の慈悲もなく人々を焼殺していくので、読み進めることに最初は少し躊躇いを覚えました。
しかし、物語が進行するにつれ、淳子の心にも少しずつ変化が生じてくのがわかりました。
常人にはない超能力を持つがゆえに、自ら孤独に生きてきた淳子。
自らを『装填された銃』と称する彼女は、ある事件を追うことで様々な人と触れ合い、『武器』から『一人の人間』として徐々に変化を見せていきます。
この辺の展開がとてもうまいと感じました。
同じ孤独感を有する一人の男性と知り合い、恋愛関係になった展開には淡い青春も感じられ、ホッとする場面でした。
そして本作は淳子の変化を描く一方で、過去の不審な焼殺事件を追い続ける石津ちか子刑事と牧原刑事がいました。
淳子とこの2人の刑事の物語が交互に描かれていくのですが、それがより深い人間ドラマとなっていると感じました。
宮部みゆきならではの、心理描写の丁寧さが為せる人間ドラマに感動しました。
そうして下巻で結末に向かって加速する登場人物たちの心模様に、読む手が止まらなくなってしまい、ほとんど一気読みでした。
超能力というファンタジー要素があるにも関わらず、それを『日常』に溶け込ませて違和感なく読み進められる宮部さんの筆致力の凄さに脱帽しました。
ストーリーの最後は哀しくて切ないものでしたが、それでもなぜだか同時にホッとする展開に胸をなでおろしました。
読み終わった後はとても深い余韻に包まれました。
上下巻に渡る物語なので読み通すには少々時間がかかりますが、それでも読んでみて損はない作品だと思います。
ぜひ多くの人におすすめしたい作品です。
🎬 『クロスファイア』の映像化データ
🎯 印象に残ったポイント
・ヒロインが念力放火能力という超能力で悪人たちを次々と焼殺していく点。
・本作のタイトルが意味するところに気づいた点。
・登場人物の人間ドラマがとても鮮やかに描かれている点。
👤 こんな人におすすめしたい!
・サスペンスミステリーが好きな人。
・並外れた超能力に興味がある人。
・宮部ミステリーの人間ドラマの面白さに触れたい人。
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