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桐野夏生『柔らかな頬』感想・あらすじ|人間の罪と喪失を描く直木賞受賞作

💡一言紹介:人間の心の闇を鮮やかに描ききった直木賞受賞作。

 不倫相手を含んだ家族旅行中に幼い娘を失踪させてしまった母親が、罪悪感にさいまれながら娘と己の人生に向き合うミステリー仕立ての人間ドラマです。

人間の業を深くえぐる作品として読み応え抜群です。

📖読んだ本

 柔らかな頬(桐野夏生)

 

📖『柔らかな頬』のあらすじ

 カスミには、家出して故郷の北海道を捨てた過去がありました。

夫の友人の石山と不倫関係にあったカスミは、双方の家族と一緒に北海道の石山の別荘へ旅行に出かけた際、旅行中、カスミは石山との不倫関係を続けてしまいます。

翌朝、5歳になる娘の有香が謎の失踪を遂げます。

後悔にさいまれながら娘を探すカスミでしたが、手掛かりすら掴むことはできませんでした。

それから4年、有香を探し続けるカスミを取り巻く状況は大きく変化していました。

夫との間に出来た埋め難い溝、連絡の取れなくなった石山は離婚していると噂が流れます。

そして、北海道へ赴いたカスミは、胃ガンに冒され余命幾ばくもない元刑事の内海と共に、有香探しに出かけます。

旅の途中、ふたりは様々な推理を巡らします。

残された時間のない内海は、真相とも妄想とも区別のつかない幻想をしだします。

そして二人は、カスミの故郷に辿り着きました。

果たして有香の行方はどうなったのでしょうか。

最後になって衝撃の結果が待ち構えていました。

人間の強さと脆さを鮮やかに描き切った直木賞受賞作です。

 

🎬 『柔らかな頬』の映像化データ

  • 公開年: 2001年
  • 監督: 長崎俊一
  • 主演: 女優の天海祐希さん
  • 他の出演者: 三浦友和、松岡俊介、渡辺いっけい、中村久美等                                                                                                                                                               ✒️『柔らかな頬』感想と見どころ

 構成にもストーリーにもぐいぐい引き付けられながら、夢中で読みました。一気読みの面白さでした。

かなり重い内容なのですが、細かい人物の心理描写がとても秀逸だと思いました。

愛欲、愛憎、死、色々なテーマが織り込まれて読み応えがあり、登場人物の事情や心境の移り変わりが丁寧に描かれております。

登場人物が少しずつ絡み合いながら現れてくる構成がとても巧みで、完全に引き込まれました。

カスミがエゴと向き合いながらも自分なりの答えを見出し、新たな一歩を踏み出そうとするラストのほうでは、静かな力強さと救いが感じられました。

登場人物各々の心理描写もとても上手だと思いました。

ミステリーとしての真相解明を期待して読むと、正直、少し違和感を覚えました。

しかし、事件を通して「母とは何か」「愛とは何か」を問いかける自己探求の物語としてとても優れていると思いました。

ミステリーという枠を超え、人間の孤独や喪失、再生を静かに描き切った名作だと思いました。

🎯印象に残ったポイント

・余命いくばくもない退職警官内海の強烈な存在感。

・登場人物各々の心理描写がとても優れている点。

・罪悪感と贖罪を深く描いたストーリー展開。

 

 👤 こんな人におすすめしたい!

・重厚な人間ドラマを読みたいと思っている人。

・桐野作品の文学性に触れたい人。

・読後深い余韻に浸りたい人。

 

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 📖 『柔らかな頬』を今すぐ読む

 

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