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東野圭吾『沈黙のパレード』感想|ガリレオが難攻不落の密室殺人に挑む傑作

一言紹介

 数年前に行方不明になった女子学生の遺体が発見されます。

逮捕された男は証拠不十分で釈放されます。

町のパレードの際中にその男は密室で殺害されてしまいます。

容疑者は女性を愛した普通の人々。彼らの“沈黙”に天才物理学者・湯川(ガリレオ)が挑みます。

 

読んだ本

 沈黙のパレード(東野圭吾)

 

あらすじ

  数年前に行方不明になり、町中の人から愛されていた女子学生・並木佐織の遺体が発見されました。

容疑者として浮上した男は沈黙を貫き、証拠不十分で釈放され、佐織が住んでいた町に戻ってきます。

男は反省の色を見せるどころか、遺族たちの前に姿を現して挑発を繰り返し、町中から激しい怒りと憎悪を買うことになります。

そして、秋祭りのパレード当日、男は何者かによって密室で殺害されてしまいます。

佐織の家族や彼女の才能を応援していた町の人々全員が男を殺害する強い動機を持っていましたが、警察の捜査に対して関係者全員が示し合わせたかのように「完全黙秘」を貫きます。

誰も口を割らない状況に行き詰まった刑事・内海薫は、天才物理学者である湯川学に助けを求めます。

湯川は科学的な視点と鋭い洞察力で「パレードの裏に隠された複雑な人間関係」と「完璧なアリバイ工作のトリック」を解き明かしていきます。

 

感想

本作は、人間の深い感情や法で裁けない悪をテーマにしており、ただの謎解きにとどまらず、関係者の愛情と悲哀が見事に描かれております。

事件の裏にある悲しい事情や、大切な人を守ろうとする人々の「想い」に焦点を当てたストーリーに涙があふれました。

犯人が初めの方に提示される倒叙ミステリースタイルですが、真相が解明されたと思ったら別の真実が全く予想外の方向に二転三転して何回も驚かされました。

アガサ・クリスティーの名作「オリエント急行の殺人」を彷彿させる雰囲気が最後の方で感じられました。

湯川教授が事件の真相を読み解くにあたって一貫していることは、人への愛情があるということだと感じました。

密室を利用したトリックは一見複雑に感じましたが、殺害方法が興味深かったです。

最後のどんでん返しに胸のすく思いがしました。終盤で、タイトルの伏線回収が出来て納得しました。

子どもへの愛情、親友への愛情、夫や妻への愛情、いろんな愛情の形が不自然なく描かれているのはさすが東野作品だと思いました。

ガリレオシリーズらしい謎解きの面白さに加えて、やるせない現実とどう向き合うかという深い余韻を残すとして多くの人におすすめしたい作品です。 

 

印象に残ったポイント

・最後のどんでん返しが見事な点。

・犯人の密室殺害に科学的トリックを使った点。

・いろいろな愛情が不自然なく描かれている点。

 

おすすめしたい人

・倒叙ミステリーを読みたいと思っている人。

・密室殺人に興味がある人。

・東野圭吾のガリレオシリーズの面白さに触れたい人。

 

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